力也:そんなんが大好物やって図鑑に載っとった。イモリ捕ったん去年の夏やなあ。2人併せて20匹ぐらい持って帰った。
天馬:もうよう、カゴの中に、イモリうにょうにょおったで。お腹の赤いイモリよ。前、おれな、お腹の赤いイモリ触って、チンコ触ったらチンコ腫れた。だから、お腹の赤いイモリ触ったら、先に手ぇ洗わなあかんのや。
力也:カブトムシとかクワガタとかも飼ったことあるな。
天馬:でもすぐ死んだなあ。
力也:でもよ、クワガタは2年くらい生きるのに、こいつ(天馬)が、カブトムシと決闘させたりしてて弱っていった。餌のゼリーとかやらんかった日とかあって……。家のすぐ前に岩内橋があって、そこは夏に夜になったら、いっぱい虫寄ってくる。
天馬:お酒とか蜂蜜とか混ぜたやつな、岩内橋に置いといて、朝の4時ぐらいよ、まだ暗かったから、見に行ったらコクワガタしか居らんかった。
力也:黒砂糖とお酒混ぜて、蜂蜜も入れたな。それを混ぜた蜜をコトコト煮てドロッとなったら木にペタッと付けて置いとく。
天馬:朝見にいったら、アリがうじゃうじゃいっぱい来てて、コクワガタしか居らんかった。
力也:ママがな、捕まえるんやったら面倒みるようにしよって言って、天馬が面倒みるって言ったけど、餌やるの忘れたりとかで、死んだ。
天馬:ああでも、一個だけ、その虫カゴの中に卵一個あったんやけど、ママが捨てた。
力也:まあなあ。
天馬:死んだコクワガタは、土に返した。土手の土にな。
学校が休みの日の楽しみは、「ゲームセンターへ連れていってもらうこと」と、兄弟が口を揃えて話は始まったが、次第に、二人の話題は、身近な生物との関わりが主になり、話しはとめどない。台所で昼食の準備をしながら、二人の会話に絡んでくる母親とのやりとりを聞いていると、子どもたちを信頼する濃密な母と子の繋がりが伝わってきた。最後に、兄弟それぞれの宝物を聞くと、……。
天馬:おれの宝物はな、サンタさんからもらった、このマンガ「珍遊記」。
力也:ものすごいアホなマンガなんですよ。
天馬:顔から血吹き出したり、首ちょんぱしたり、出てくる奴らがだいたいよだれ垂らしてる。で、主人公が毛が3本。ものすごいアホなマンガやけど、面白い。
力也:ぼくの宝物は、LaQ(ラキュー)。これは仮面ライダー1号。これショッカーや。5歳の時に作ったんや。